◇東洋医学・鍼灸とつながる基本の考え

東洋医学とは、中国をはじめとするアジアで2000年以上受け継がれてきた伝統医学で、日本でも漢方や鍼灸として広まり、今も生活に根づいています。
東洋医学では「人間は自然の一部であり、人間の身体の中にも自然界と同じ構造がある」と考えます。
そして、人の体を構成し、健康を保つための基本的な成分を「気・血・津液(しんえき)」として捉えます。
・気:生命活動のエネルギー
・血:血液に相当し、体を養うもの
・津液:血以外の体液(汗・涙・滑液・リンパ液など)
※「気・血・水」と呼ばれることもあります。
これらが充足してバランスよく巡っていると、人は活力にあふれ、心身ともに健やかです☆
つまり、東洋医学とは「気・血・津液をいかに充足させ、滞りなく巡らせるか」を重視する医学なんです。
◇経絡と五臓六腑

「気・血・津液」が巡る通り道を「経絡(けいらく)」といいます。経絡は体中を走る川のようなもので、その流れによって全身に栄養や潤いが届けられています。
その川の流れと深くかかわっているの「五臓六腑」です。
「五臓六腑」がそれぞれが独自の役割を担い、「気・血・津液」の生成と運行を調整しています。また「五臓六腑」自身も、「気・血・津液」が巡ることでその機能を保っているんですね。
五臓 肝・心・脾・肺・腎
六腑 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

◇経穴(ツボ)と鍼灸
経絡の上には「経穴(けいけつ=ツボ)」と呼ばれるポイントがいくつもあります。鍼や灸は、この経穴に刺激を加えることで経絡の通りを整えたり、五臓六腑の働きを調整したりします。
経穴は体の内と外をつなぐ窓口のような存在で、局所の症状だけでなく全身のバランスにも影響します。鍼灸はこの仕組みを活かし、自然治癒力を高めていく治療法なんです。